「それ、ファクトベースで話してる?」
筆者の職場では、このセリフが日常的に飛び交っている。まるで呪文である。何かを主張すると、「それ、ファクト?」と問い詰められる。しかし、筆者は考えたのである──「そもそも、ファクトとは一体何なのか?」と。
事実? データ? それとも上司の気分次第?
そして、筆者は気づいた。この世には「ファクト」と言いつつ、まったくファクトではないものが大量に存在しているのだ、と──。
「ファクト」とは何か? いや、それは本当にファクトなのか?
「ファクトを出せ!」
上司が会議で高らかに叫ぶ。しかし、その「ファクト」とやらをよく聞いてみると、ただの「個人的な経験談」だったりするのだ。
例えばこんな場面がある。
うちのクライアントはスピードを重視する。これはファクトだ!
筆者(心の声):「いや、それ、単なるお前の主観では?」
結局のところ、「ファクト」とは「俺がそう思うから正しい!」をもっともらしく見せるためのパワーワードなのだ。
さらに、「エビデンス」との違いについても聞かれることがある。
「エビデンス」と「ファクト」、何が違うのか?
上司に聞いてみたことがある。しかし、返ってきたのは「うーん、エビデンスは裏付けがあって、ファクトは事実なんだよね!」という、まったくファクトでもエビデンスでもない回答だった。
要するに、「ファクト」とは何かを説明できる人間がいないまま、なんとなく威圧的に使われている概念なのである。
「エビデンス」の本当の恐ろしさについては、こちらで震えてほしい。
「ファクト攻撃」にどう立ち向かうか?
「ファクトで示せ!」
上司がドヤ顔でそう言い放つ。その瞬間、筆者は悟るのである──これは、逃げ場のない攻撃なのだ、と。
「ファクト」とは、出す側ではなく要求する側が有利なゲームなのである。
例えばこんなやり取り。
この施策、本当に効果あるの? ファクトを示せ
筆者:「いや、実際に他社事例もありますし……」
でも、それって当社のケースに当てはまるファクト?
筆者:「……」
こうして、ファクトという言葉だけで徹底的に詰められる地獄が発生する。
では、どうすればこの攻撃を回避できるのか?
① 「いや、そちらこそファクトを出してください」のカウンター
「ファクトで示せ」と言われたら、「では、逆にこの施策がダメだというファクトはありますか?」と返してみる。
大抵の場合、上司は「うっ……いや、それは……」と詰まる。なぜなら、そもそも誰もファクトを持っていないからである。
ただし、これは上司との関係性に亀裂を入れかねない諸刃の剣である。もう少しソフトな方法がないか。次の例を見てみよう。
② 「ファクトは大事ですが、現場感覚も重要ですよね?」の魔法の一言
ファクトを求められたら、こう返せばいい。「ファクトは重要ですが、実際の現場感覚も考慮すべきですよね?」
この一言で「お、こいつデキるな」と思われる。なぜなら、「バランスの取れた発言をする人材」という印象を与えるからだ。
③ 「なんかそれっぽいデータ」を用意してしまう
最終手段として、とにかくそれっぽいデータを用意しておく。数字が並んでいれば、それだけで上司は納得しがちだからだ。
重要なのは「ファクトの正確性」ではなく、「ファクトっぽく見える何か」を持っておくことなのである!
まとめ:結局、「ファクト」なんて都合よく使われる言葉なのだ!
ここまで読んで、あなたも気づいたはずだ。「ファクト」とは、言ったもん勝ちの魔法の言葉なのである。
- 「ファクトで語れ!」 → でも、そのファクトは誰が決めるのか?
- 「ファクトを示せ!」 → 都合のいいファクトしか認められないのでは?
- 「ファクトが大事!」 → でも、結局は感覚で判断しているのでは?
つまり、「ファクト」は絶対的な真実ではなく、話を有利に進めたい人が使うための道具なのだ。
では、どうすればこの言葉に振り回されずに済むのか? 答えは簡単、「こちらも適当にファクトを操ること」である。
- 「ファクト? それならこのデータをどうぞ」→ とりあえずそれっぽい数字を提示
- 「ファクトは重要ですが、現場の肌感覚もありますよね?」→ 曖昧な言葉でスルー
- 「逆に、この意見が間違っているファクトはありますか?」→ カウンター攻撃
最終的に、ファクトを盾にして詰めてくる人間には、ファクトを武器にして殴り返せばいいのだ!
さあ、あなたも今日から「ファクト拳」の使い手である!ファクトで一方的にボコられる世界を華麗に切り抜けていこうではないか。










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