ファシリテーション考:ファシり屋は今日も「いったん持ち帰りましょう」と言い放つ

「では、今日の会議は私がファシりますね!」

──そんなセリフをドヤ顔で放つ先輩を見たことがないだろうか? あるいは、すでに自分がその境地に達してしまったかもしれない。

会議が始まると、その先輩はホワイトボードの前に立ち、「まずは議題を整理しましょう!」と宣言する。しかし、整理はするものの、何を決めるのかは誰もわかっていない。議論が迷走しても、「皆さん、いったん視点を変えて考えてみましょう!」と妙に哲学的な方向へ誘導し、ますます何を決めるのかが曖昧になっていくのである。

そして30分後──会議室には白熱する議論の声が響くが、気づけば話は堂々巡り。誰も結論を出せないまま、時間だけが過ぎていく。

そして、最後にファシリテーター先輩がキメる。

「では、この議論はいったん持ち帰りましょう!」

──いや、何も決まってないんかい!!!www


そもそも「ファシリテーション」とは何なのか?

本来の定義では、「会議の進行を円滑にし、参加者の意見を引き出して意思決定を促すスキル」のことを指す。「優れたファシリテーターは会議の生産性を高める」ということは、様々なビジネス書でも語り尽くされているし、ビジネスパーソンにとっては「常識」とも言える。

しかし、現実の職場ではどうだろうか。

我々の職場にいる「ファシり屋」たちは、そんな理想的な姿とはかけ離れている。彼らは、議論を整理するフリをしつつ、最終的には何も決まらない状態を作り出す達人なのだ。そう、「ファシリテーション(笑)」は、現代ビジネスにおいて一種の儀式と化しているのである。

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ファシリテーションの実態

「ファシリテーションとは、会議の進行を円滑にし、参加者の意見を整理して意思決定を助けるスキルである」

──しかし、これは理想論であり、実際の職場ではほぼ幻想である。

「皆さん、このイシューについてディスカッションしましょう!」 「では、この議論を深掘りして、いったん棚卸ししましょう!」

こうしたフレーズが飛び交うものの、最終的に決まるのは「次回までに持ち帰る」という結論ばかり。つまり、ファシリテーションとは、会議の長時間化を正当化するための「免罪符」と化しているのだ。

「ファシり屋」という謎の存在

特に厄介なのは、ファシリテーションを仕事のメインスキルにしてしまった「ファシり屋」たちである。彼らはホワイトボードと付箋を駆使し、「可視化」を連呼しながら話を整理するが、最終的に結論を出す気はない。

「この問題の本質は何か、いったん分解して考えてみましょう!」 「では、皆さんの意見をマッピングしてみますね!」

──その結果、壁にはカラフルな付箋が貼られ、意味ありげな矢印が引かれた図が完成する。が、具体的な決定事項はどこにも見当たらないのである。

もはやファシり屋は、ホワイトボードと付箋を操る「アーティスト」に分類した方がいいのかもしれない。

データが示す「会議の闇」

実際、日本の会社員に対して行ったアンケート(Acallによる調査)によれば、「もっと効率化できる会議」の割合は43%にものぼる。 これは当然の結果だろう。ファシリテーションが「結論を出さないスキル」になってしまった以上、会議が生産的になるはずがないのだ。

ファシリテーションをどう乗り切るか?

では、この「ファシリテーション(笑)」が跋扈する職場で、若手社員はどう生き延びればよいのか?

「ファシります!」と宣言しなくても、「今日は君がファシって!」と貰い事故のような事案にぶち当たることもある。そんな時に必要なのは、「ファシってる風」を演出するサバイバルスキルなのである。

ホワイトボードを制する者は会議を制す

ファシリテーションをする人間は、なぜかホワイトボードの前に立ちたがる。なぜなら「ボードの前に立つ=偉い人っぽい」からだ。もし「今日は君がファシってくれ」と言われたら、慌てる必要はない。

まずはマーカーを握れ。そして、「まずは議題を整理しましょう」と言え。あとは参加者の発言からキーワードを拾ってホワイトボードに書き、それらを適当に矢印で結びながら話をまとめてるフリをすればいい。それだけで、「ファシり屋」としての最低限の仕事は果たしたことになる。

「では一度整理しますね!」の魔法の一言

議論が迷走し始めたら、この一言が最強である。

「では一度整理しますね」と言った瞬間、「おっ、こいつできるな」と思われる。なお、整理する必要があるかどうかは関係ない。とにかく言うだけで「ファシ力(りょく)」が高いと勘違いされるのである。

「いったん持ち帰りましょう」で乗り切る

これはファシリテーション界の奥義「いったん持ち帰りましょう」についても触れておこう。

議論が収拾つかなくなったら、「では、この件はいったん持ち帰りましょう」と発言する。すると、なぜか全員が納得し、「じゃあ次回までに考えておきます」と言い始めるのだ。

この時の参加者の表情に注目してほしい。なぜかこの時、全員が安堵したような表情を浮かべる。──まるで決めることを恐れていた、とでも言いたげなのだ。

まとめ:ファシリテーションとは、仕切りたがりの免罪符である

結局のところ、ファシリテーションとは何なのか? それは「会議を進めているように見せる魔法の言葉」なのである。

本来は議論を円滑にするためのスキルだったはずが、いつの間にか「とりあえずファシっておけば評価される」という謎の文化が生まれてしまった。

だからこそ、新卒・若手社員諸君には、ファシリテーション(笑)ではなく本物のファシリテーターになってほしい。

実のところ、本当に優れたファシリテーションとは、単なる会議の進行役ではなく、「結論を引き出す技術」なのである。

  • 目的を明確にする:「この会議で決めるべきことは何か?」を最初に定義する。
  • 話を深掘りしすぎない:脱線しそうになったら「それは今回の議題に含めますか?」と軌道修正する。
  • 具体的なアクションを決める:「誰が」「いつまでに」「何をするか」を明確にする。

これらを押さえれば、会議はただの時間の浪費ではなく、実のあるものへと変わるのだ。

さあ、新卒・若手社員諸君。今日から「ファシリテーション(笑)」の呪縛を見抜き、会議のカオスを生き延びるのだ!

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