このプロジェクトのバリューを最大化しよう!
──上司がドヤ顔でそう言った瞬間、筆者の脳内には「えーと、それってつまり……」という思考のロード画面が表示されたのである。
バリュー? 最大化? いや、それ具体的に何をすればいいの?
しかし、会議室の空気は違った。みんなが「なるほど、バリュー最大化ですね!」と頷き、何やらメモを取り始めている。
……だが待ってほしい。
そもそも「バリュー」とは何なのか? なぜ「価値」と言わずに、カタカナで言う必要があるのか? そして「最大化」と言われても、その方法が具体的に語られることは、ほぼないのである。
バリュー(笑)──それは、意識高い会議で乱発される呪文のひとつなのだ!
バリュー(笑)の正体
バリュー、それは「価値」をカタカナにしただけの単語……のはずなのだが、なぜか口にした瞬間、ビジネス感が3割増しになる魔法のワードである。
たとえば、上司が「この施策の価値を最大化しよう」と言った場合、部下は「お、おう」と普通に納得する。しかし、「この施策のバリューを最大化しよう」と言った瞬間、なぜか「おぉ……!」と会議室の空気がピリッとするのである。
だが、冷静になって考えてみよう。
「バリューを最大化しよう!」と言う人ほど、その具体的な方法を語らない説があるのだ。
- 「この施策のバリューが低いな」 → 何が低いのかは言わない
- 「もっとバリューを出していこう!」 → どうすればいいかは教えてくれない
- 「君の仕事にはバリューが足りないね」 → どのへんが足りないのかは曖昧
このように、「バリュー」とは「価値があるかどうか」を誤魔化すために使われる言葉なのだ。いや、正確には「何か言った感」を出すためのフワッとしたカタカナなのである。
つまり、「バリュー(笑)」というわけなのだ!
どう乗り切る? バリュー攻撃に対抗するテクニック
バリュー(笑)という単語が飛び交う会議。そこに巻き込まれた者は、何をどうすればいいのかもわからぬまま、ただ「バリューを意識して」と念仏のように唱え続けるしかない……と思いきや、そんなことはない!
ここで、バリュー攻撃を華麗にかわす3つの必殺技を伝授しよう。
必殺技1:「具体的には?」と聞き返す
これは最もシンプルかつ強力なカウンターである。
もっとバリューを出していこう!
具体的には?
──この瞬間、上司の目が泳ぐ。「バリューを最大化しろ」とは言ったものの、その具体策は考えていなかったのである。これだけで、相手は「お、おう……」とトーンダウンするのだ。
必殺技2:「〇〇のバリューは△△ですね」と適当に返す
もし「具体的には?」と聞けない空気ならば、こっちから適当にバリューを語ればいい。
このプロジェクトのバリューは、エンゲージメントの向上にあると思います!
御社のバリューは、シナジーの創出ですね!
何を言っているのか自分でもよくわからなくても問題ない。むしろ、相手も「ほう……」と頷いてしまうのがこの戦法の恐ろしいところである。
必殺技3:「バリューを高めるためにアジェンダを再整理する」とカウンターを打つ
相手がバリューで押してくるなら、こちらも意味不明なワードで応戦するのだ。
バリューを最大化するために、アジェンダを再整理し、KPIをブラッシュアップすべきかと!
──そう言えば、相手は一瞬固まる。「アジェンダ……? KPIのブラッシュアップ……?」と考え込んだその隙に話題を変えれば、バリュー攻撃を回避できるのである。
バリュー(笑)を使いこなす者が上司ならば、こちらも適当にバリューを操りつつ、エンゲージメントやシナジーの渦へと巻き込んでしまうのがベストな戦法なのだ!
まとめ:バリューに振り回されずに生きる方法
結局のところ、「バリューを最大化せよ!」とは「頑張れ!」をカタカナに変換しただけの言葉なのだ。
しかし、カタカナにすることで何やらビジネスっぽく聞こえてしまうのが厄介なところ。バリュー(笑)を連発する人ほど、実は何も具体的なことを言っていない──そう気づいた時、我々はカタカナ語の呪縛から解放されるのである。
では、バリュー攻撃にどう立ち向かうべきか? 答えはシンプルだ。
- 「具体的には?」と聞き返し、言葉の中身を突き詰める
- 「バリュー」を連発する相手には、シナジーやエンゲージメントで応戦する
- 「価値があるかどうか」は、カタカナではなく行動で示せ!
バリュー(笑)という呪文に惑わされることなく、冷静に仕事を進めていくことこそ、真に価値のある行動なのだ。
──さあ、今日もバリューを最大化するフリをして、スマートに乗り切るのである!










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