この施策は、よりクリエイティブに!
──会議でそんなフレーズが飛び出した瞬間、筆者の脳内では警報が鳴り響く。「で、それって具体的に何?」
クリエイティブ。響きはいい。なんだかオシャレだし、言われた側も「おっ、なんかカッコいいこと求められてる?」と錯覚しがちである。しかし、この言葉の最大の問題は、その意味がふわっとしすぎていることなのだ。
たとえば、デザイン案を提出したとする。
うーん、もうちょっとクリエイティブにできない?
筆者「(はい、出ました)」
「クリエイティブに」と言われたところで、何をどう変えればいいのかはっきりしない。斬新にすればいいのか? 色を派手にすればいいのか? それとも、もういっそシュールな方向に振るべきなのか? 結局のところ、「もっとおしゃれにして」と同じくらい抽象的な指示なのである。
にもかかわらず、「クリエイティブ」という単語は、あたかも魔法のように使われる。何かをダメ出しするときに「クリエイティブじゃない」と言えば、それっぽい評価になる。だが、具体的な改善案は一切出てこない。
つまり、「クリエイティブ(笑)」とは、「とりあえず言っておけばカッコがつくワード」なのである。
クリエイティブお化けが社内を徘徊する
会議室で飛び交う「もっとクリエイティブにしよう!」の掛け声。
だが、その言葉の発信者自身が何を求めているのか、実はよくわかっていない──という現象が起こる。
こうして、「クリエイティブお化け」が社内を徘徊し始めるのである。
パターン①:「もっとクリエイティブに!」と言うだけの上司
たとえば、資料を提出したときのこと。
もうちょっとクリエイティブにしたほうがいいね
筆者:「(また出たよ)」
具体的に、どこをどう変えればいいですか?
うーん、なんかこう……もっとパッと目を引く感じ?
筆者:「(え、つまりどういうこと?)」
──いや、そこをハッキリさせるのがアンタの仕事では?
結局、「もっとクリエイティブに!」と言われたら最後、具体的な改善点は示されない。こっちが試行錯誤して出し直しても、「うーん、もうちょっと…」の無限ループ。最終的に、元の案に近い形でOKが出たりする。
パターン②:「クリエイティブ会議」という名の地獄
さらに恐ろしいのが、「クリエイティブを発揮しよう!」という目的で開催される会議である。
司会:「今日は、新しいアイデアを出すためにブレストをしましょう! もっとクリエイティブに考えてください!」
参加者:「(うわ、来た)」
ここで何が起こるかというと、全員が「クリエイティブ」の正解を探し始めるのだ。だが、「クリエイティブに」という言葉が抽象的すぎるせいで、何を求められているのか誰もわかっていない。
結果、次のようなカオスな流れになる。
- 「とりあえず奇抜ならいいんじゃね?」という発想で、実現不可能なアイデアが乱舞する
- 「AIを活用して!」と言っておけばなんかよさげな雰囲気が出る
- 「DXと絡めよう!」と、とりあえず時事ネタをぶっ込む
- 「バズるやつを狙おう!」→でも何がバズるかは誰もわかっていない
最終的に、「結局、何が決まったんだ?」という謎の会議が終了するのである。
クリエイティブ(笑)な指示をどう乗り切るか?
さて、「これ、もっとクリエイティブに!」という魔法の呪文を浴びせられたとき、どうすればいいのか?
結論:「クリエイティブ返し」で対抗するのが最適解なのである。
①「具体的にどうすればいいですか?」と聞く
最もシンプルで効果的なのは、**「どの部分を、どう変えればいいですか?」**と質問すること。
なぜなら、クリエイティブお化けたちは、大抵の場合「なんか違う気がするけど、何が違うのか自分でもわかっていない」からである。
こう聞くと、上司のリアクションはだいたいこんな感じになる。
- 「うーん……なんかこう……もっと新しい感じ?」
- 「ちょっとモダンなテイストを入れて?」
- 「わかんないけど、もっとシャープな感じ?」
──いや、それが具体的じゃないから困ってるんですよ!
この手の返答が来たら、筆者はいつもこう返す。
例えば、〇〇の方向性に寄せる感じですか?
ここで適当に、最近流行っているデザインや表現手法を挙げる。すると、上司は「そうそう! そんな感じ!」と言いがちである。
つまり、こっちから「クリエイティブの方向性」を提示すれば、意外とすんなり話が進むのだ。
②「クリエイティブ感」を適当に足してお茶を濁す
とはいえ、「どう変えればいいのか誰もわかってない」状態が長引くと、こちらの時間も無駄になる。そんなときは、適当に「それっぽく」アレンジして提出するのが最適解。
- 色を少し変えてみる(「前よりシャープな印象になりました!」)
- フォントをちょっといじる(「モダンなテイストを意識しました!」)
- 意味深な余白を入れる(「余白の美を活かしました!」)
すると、意外なことに「お、なんかクリエイティブになったね!」と満足してもらえるケースが多いのである。
要するに、「変えた感」さえ出せれば勝ちなのだ!
まとめ: クリエイティブとは、雰囲気で乗り切るものである
結局のところ、「クリエイティブに!」という指示は、「なんか良さげにしといて!」と同義なのだ。それならば、こちらも適当に「クリエイティブっぽさ」を足しておけば、たいていのケースは乗り切れる。
覚えておくべきことは3つ!
- 「具体的にどうすれば?」と質問して、上司のフワフワ発言を整理する
- ちょっとした変更でも「クリエイティブです!」と言い切る
- 最悪、色やフォントをいじるだけでも「変えた感」は演出できる
つまり、「クリエイティブ」とは、「雰囲気」で乗り切るものである。
さあ、今日も「クリエイティブお化け」の猛攻を、冷静にかわしていこうではないか!










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