「このフェーズでは会社をグロースさせることが最優先です!」
──はい、出ました。意識高い系の決まり文句である。
一応説明しておくと、「グロース(Growth)」とは、要するに「成長」のことだ。スタートアップ界隈では「事業や会社を拡大させること」を指して使われる。
例えば、こんな文脈で使われるのが一般的だ。
- 「プロダクトをグロースさせるために、グロースハックを仕掛ける」(つまり、サービスの利用者を増やす施策をやる)
- 「この事業のグロースを加速するには?」(つまり、売上やユーザー数を伸ばすには?)
- 「グロースに貢献する人材を採用したい」(つまり、売上に貢献する人がほしい)
──見ての通り、単に「成長」と言えばいい話なのだが、なぜか意識高い界隈では「グロース」に言い換えられるのである。
「成長」と言うよりも、なんとなく特別なミッション感が出るからなのか?
では、そもそも「グロース」とは何なのか?なぜ人は「会社をグロースさせる」と言いたがるのか?この謎に迫っていこうではないか。
グロース(笑)とは何か?
「会社をグロースさせる」
──この言葉を聞いた瞬間、筆者の脳内には「つまり何をするの?」という疑問がよぎるのである。
「グロース」という言葉を使うと、なぜか「普通の成長よりも特別な成長」のような雰囲気が出る。だが、実際のところ「グロースしよう!」と言っている人たちも、何をどうすれば「グロース」なのか明確に説明できていないのだ。
例えばこんな会話が繰り広げられる。
CEO:「とにかく、この事業をグロースさせるんだ!」
社員:「具体的には?」
CEO:「市場のニーズを分析して、最適な戦略を立てるんだ!ターゲット層を明確にして、プロダクトの価値を最大化する方法を考えてくれ!」
──こうして、謎の「グロース指令」だけが現場に降りてくるのである。
また、「グロースハック」という言葉を好んで使う層もいる。「ハック」とつければ、何か革新的な手法があるように聞こえるが、実際は「とりあえず広告を打つ」「とにかく新規ユーザーを増やす」といった、ありきたりな施策のことだったりする。
結局、「グロース」とは何か?その正体は、「カッコよく言いたいだけの成長」なのである。
どう乗り切る?「グロースおじさん」からの洗礼
「この事業をもっとグロースさせよう!」
──会議の場で、目を輝かせながらそう叫ぶ上司がいる。筆者は心の中で思うのである。「また始まったか……」と。
こうした「グロースおじさん」は、あらゆる場面で「グロース」を連呼する。
- 「グロースに効く施策をどんどん回していこう!」
- 「今期はグロースドリブンな意思決定を!」
- 「グロース視点でKPIをセットし直したい」
──で、具体的に何をすればいいんですか?
だが、ここで「それってつまり?」と聞くのは危険である。「お前、まだそんなことも分かってないの?」という顔をされる可能性があるのだ。
では、どう乗り切るべきか?
① 適当に相槌を打つ
「なるほど、それは確かにグロースに寄与しそうですね」などと、それっぽい返しをしておけば場は乗り切れる。重要なのは、何も考えずに「グロース」をオウム返しすることである。
② 抽象的なワードで返す
「グロース視点で見ると、確かにそのアプローチは面白いですね」と言っておけば、相手も「お、こいつわかってるな」と勝手に納得してくれる。
③ 逆に「グロース」をぶつける
「そうですね!よりグロースするためには、スケール感を意識したグロース戦略のブラッシュアップが必要かもしれません」と適当に言えば、会話が無限ループする。
このように、「グロースおじさん」からの洗礼を受けた際は、深く考えずに「グロース!」と適当に叫んでおけば、場を切り抜けられるのである。
まとめ:「グロース」に惑わされるな!
結局のところ、「会社をグロースさせる」とは、ただの「成長」の言い換えなのである。
だが、「成長」と言うと普通すぎるから、意識高い人々は「グロース」と言いたがる。そうすることで、自分たちが何か特別なことをしているような錯覚に陥るのである。
しかし、本当に重要なのは言葉ではなく、「具体的に何をするのか?」という点なのだ。
「グロース!」と叫ぶだけで会社が成長するなら苦労はしない。むしろ、曖昧な言葉で話をふわっとさせるより、「売上を◯%伸ばすために、この施策をやる」とシンプルに言えたほうが、よほど優秀なのである。
とはいえ、現実のビジネスシーンでは「グロース!」を避けて通ることはできない。ならば、我々が取るべき戦略は一つ。
──「適度にグロースと言いながらも、流されずに本質を見極めること」である!
さあ、新卒・若手社員諸君。今日からは「グロースおじさん」に惑わされることなく、本当に意味のある仕事をしていこうではないか!


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