言い換えマジックの王者「プリファレンス」を冷静に和訳する会

「ユーザーのプリファレンスを考慮した最適なUXを提供しよう!」

──ある日、会議でそんなセリフが飛び出した。

……プリファレンス??

何かすごく重要そうな響きだが、冷静に考えてみてほしい。「好み」「選好」──つまり、ただの「好き嫌い」ではないか? それをわざわざカタカナにすることで、あたかも専門的な概念のように見せているのである。

「お客様のプリファレンスに寄り添う」と言われると、なんかすごく顧客思いに聞こえる。しかし、これを日本語にすると「お客様の好みに合わせる」──当たり前すぎる話なのである。

にもかかわらず、なぜか「プリファレンス」は意識高い会話に頻出する。そして、言われた側は「うわ、なんか難しそう」と圧倒されるのだ。

では、なぜこんな言葉が使われるのか? そして、「プリファレンス(笑)」を聞いたとき、どう立ち回ればいいのか? そのあたりを深掘りしていくのである!

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プリファレンスの正体

「この施策は、ユーザーのプリファレンスに基づいて最適化されているのか?」

そんなことを真顔で聞いてくる上司がいるのである。

いやいや、「プリファレンス」って言ってるけど、それって要は「ユーザーの好み」だろ?「この施策はユーザーの好みに合ってる?」って聞けばいい話なのだ。なのに、なぜかカタカナにすることで、話がやたらと難しく感じられる。

プリファレンスの恐ろしいところは、「それっぽく言えば何となく賢く聞こえる」ところにある。

たとえば、「ターゲットのプリファレンスを細かく分析し〜」なんて言えば、マーケティング的な専門性があるように聞こえる。だが、日本語で言い換えると「ターゲットの好みを詳しく調べて〜」──なんだ、ただのリサーチの話ではないか。

「プリファレンス」には、聞き手を煙に巻く効果があるのだ。だからこそ、意識高い系は多用する。「好み」と言えば単なる主観だが、「プリファレンス」と言えばデータに基づく分析っぽく聞こえる。その結果、発言者は賢く見え、聞き手は「よくわからんがすごそう」と納得してしまうのである。

だが、我々は知っている。「プリファレンス」と言っている人の多くは、単に「好き嫌い」と言い換えたかっただけなのだと……。

「プリファレンス(笑)」を求められた時の対処法

さて、そんな「プリファレンス(笑)」を会議や打ち合わせで投げつけられた場合、どう対応すればよいのか? ここで重要なのは、「プリファレンス」という言葉の魔法を冷静に解いていくことである。

① 「それって、どんなプリファレンスが必要ですか?」で煙に巻く

カタカナ語を使う人間は、意外とその意味を深く考えていない場合が多い。「プリファレンスを考慮しろ」と言われたら、こう聞き返してみよう。

「具体的に、どのプリファレンスを意識すればよいでしょうか?」

おそらく、相手は一瞬「うっ」となる。なぜなら、「プリファレンス」と言ったものの、具体的な好みの話を深掘りできる自信がないからだ。

② 「〇〇のデータによると〜」で適当にごまかす

プリファレンスという言葉は、「データ分析の結果、こういう好みがある」という前提で使われることが多い。ならば、こちらもそれっぽく返せばいい。

「過去のデータによると、ユーザーのプリファレンスとして〇〇が挙げられますね」

データなんて具体的に言う必要はない。「過去のデータによると」と言った瞬間、なぜか説得力が増すのがビジネス会話の謎ルールなのだ。

ただし注意点もある。「エビデンス勢」の存在だ。「データ」という単語を出すと、高確率で「エビデンスは?」と聞いてくるやつがいるのだ!

エビデンス勢には、やはり専門的な対処法がある。詳しくは以下の記事を参考にしてほしい

③ 「現場感覚も大事ですよね?」で逃げ切る

もし相手が「いや、それは本当にユーザーのプリファレンスなのか?」と詰めてきたら、最終手段としてこの一言を放とう。

「とはいえ、現場の肌感も大事ですよね?」

これを言うと、不思議と誰も反論できなくなる。なぜなら、「現場の感覚」なるものは、証拠がなくても否定しづらいからである。ちなみに「肌感」という防御魔法は、エビデンス勢にも有効だ。

まとめ:「プリファレンス」は言い換えマジック

結局のところ、「プリファレンス」という言葉の正体は、ただの「好み」「好き嫌い」なのである。

しかし、これをカタカナにすることで、なんとなく専門的に聞こえ、発言者は賢く見え、聞き手は「なるほど……?」と納得したフリをする。この構図こそが、「プリファレンス(笑)」の恐ろしさなのだ。

だが、我々は知っている。「プリファレンスを考慮しろ!」と言われても、実際は「お客さんが好きそうなものを考えてね!」と言われているだけなのだ。

だから、無駄に深刻に考えず、「具体的にどんなプリファレンスですか?」と聞き返し、「過去のデータによると〜」と適当に返し、「とはいえ、現場の肌感も大事ですよね?」で締める。これが正しい「プリファレンス(笑)」との付き合い方なのである!

さあ、新卒・若手社員諸君。今日から「プリファレンス(笑)」を恐れずに、カタカナ地獄を生き延びるのだ!

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