「この会議のアジェンダは?」
──その一言が飛んだ瞬間、会議室の空気が一変する。カタカタカタ……とPCのタイピング音が加速し、誰かが「カチッ」とGoogleドキュメントを開く音が聞こえる。やべえ、アジェンダを把握してない奴がいる。会議という戦場において、アジェンダを持たぬ者は敗北者なのだ!
……しかし、筆者は思うのである。「いや、アジェンダって結局、何?」
カタカナ語にまみれたビジネスパーソンなら、一度は抱いたことがあるこの疑問。スケジュール? 目的? 話し合う項目? それともただの「デキる風」ワードなのか? いざ会議が始まれば、誰もが「アジェンダに沿って……」と連呼するが、実際には脱線しまくり、気づけば「このアジェンダは適切か?」という謎の議論が始まるのである。
──もはや、アジェンダとは会議そのものを混沌へと導く呪文なのではないか?
「アジェンダ芸」というビジネスの闇
世の中には「アジェンダ芸」というものが存在する。これは、会議において「アジェンダ」という単語をいかに巧みに使いこなせるかで、デキる風を演出する高度な話術である。
たとえば、会議の冒頭で「とりあえずアジェンダを共有しますね」と言うだけで、何やら重要なことを言っているように聞こえる。だが実際に共有されるのは、「えーっと、まずA社との案件の進捗確認をして、それからBプロジェクトの方向性について……」といった、もはや誰でも思いつく当たり前の話題ばかりである。いや、それって「今日話すことリスト」では?
さらに高度なアジェンダ芸として、「アジェンダがブレてますね」という魔法のフレーズがある。これを言われると、なぜか相手は「すみません、整理します……」と怯むのだ。実際には話がちょっと横道にそれただけなのに、「アジェンダを見失った=無能」みたいな空気が醸成されるのである。恐ろしい。
そして、極めつけは「アジェンダベースで考えると……」という言い回し。この一言を挟めば、たとえ自分が何を言っているのか分かっていなくても、それっぽい雰囲気を出せるのである。筆者はこれを「アジェンダ詐欺」と呼んでいる。
どう乗り切る? 「アジェンダ攻撃」への対抗策
さて、そんな「アジェンダ芸」に巻き込まれた時、どうすれば生き延びられるのか? ここでは、実践的な処世術を伝授しよう。
①「一旦、アジェンダを整理しましょう」で時間稼ぎ
会議の流れが読めず、「あれ? 何の話だったっけ?」となった時は、とりあえず「一旦、アジェンダを整理しましょう」と言うのだ。すると、不思議なことに「確かに、一回整理したほうがいいですね」と賛同が得られ、場がリセットされる。実は、誰もアジェンダを完全に把握していないのである。
②「アジェンダはあるんですけど……」と切り返す
「この会議、アジェンダが曖昧ですね」と詰められたら、「いえ、アジェンダはあるんですけど、まずコンテキストを共有して……」と言ってみよう。アジェンダを曖昧にしたまま、逆に「コンテキスト(笑)」という新たなカタカナ語をぶん投げ、相手を混乱させる作戦である。
「コンテキスト(笑)」については、以下で生存戦略を確立しておくのだ!
③「そもそも、このアジェンダは適切なのか?」で逆襲
上級者向けのテクニックだが、会議が長引きそうな時は「そもそも、このアジェンダは適切なんでしょうか?」と問題提起するといい。高確率で「確かに……再定義が必要ですね」という流れになり、話が堂々巡りを始める。もはや議論を終わらせる気はゼロである。
このように、アジェンダ攻撃を受けても、うまく切り返せばこちらのペースに持ち込めるのだ。
まとめ:「アジェンダ(笑)」を制する者が会議を制する
結局のところ、「アジェンダ」とは何なのか? スケジュールなのか、議題なのか、それともただの「デキる風」ワードなのか──その答えは、会議に参加する全員がぼんやりとしか理解していないのである。
しかし、それでいいのだ! なぜなら、アジェンダも例に漏れず「言ったもん勝ち」の呪文だからである。会議が迷走したら「一旦、アジェンダを整理しましょう」、話が詰められそうになったら「このアジェンダ、そもそも適切ですか?」──この二つのフレーズを駆使すれば、ビジネスの荒波をスマートに乗りこなせるのである。
要するに、「アジェンダ(笑)」とは、うまく使えば会議を支配できる魔法の言葉なのだ。さあ、新卒・若手社員諸君。今日から「アジェンダ芸」を駆使し、ビジネス会議を華麗にサバイブしていくのだ!


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