結局、「ジャーニー(笑)」を使うやつほど迷子になっている

「このプロジェクトのユーザージャーニーを最適化しよう」

──そう言われた瞬間、なぜだか筆者はウキウキとした気分になった。「ジャーニー? 旅? 俺たちは今からどこかへ行くのか?」

だが、会議室を見渡しても誰一人動じていない。UX担当者は真剣な顔で「カスタマージャーニーのペインポイントを洗い出して……」と語り、マーケティングチームは「タッチポイントを最適化することで、よりスムーズなジャーニーへ……」と頷き合っている。

──すまない、筆者には何の話かさっぱりわからない。

「ジャーニー」と言えばバックパッカーの一人旅、あるいは70年代のロックバンドの名前じゃなかったのか? それが今や、マーケティングの現場では「ユーザーの動線」や「購入プロセス」の意味で使われ、あたかも「これを知らないとビジネスの話ができない」的な顔をしているのだ。

いったい、ジャーニーとは何なのか? そして、なぜビジネス用語になると突然、壮大な旅になるのか? 今こそ、このカタカナ語の謎を暴いていくのである。

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ジャーニーとは、意識高い旅路なのか?

「ジャーニー」という言葉には、どこかロマンがある。長い旅路、成長、発見──そんなイメージが湧く。しかし、これがビジネスの世界に持ち込まれた途端、状況は一変する。

「このプロジェクトのユーザージャーニーを可視化して……」
「カスタマージャーニーマップを作成しよう!」

──おい、ちょっと待て。

気づけば「ジャーニー」は、ただの「ユーザーの動き」を指す言葉になっているのだ。要は「顧客が商品を知ってから購入するまでの流れ」なのだが、それを「動線」とか「プロセス」ではなく、なぜか「旅」に仕立て上げている。

例えば、ECサイトで靴を買う場合を考えてみよう。

  1. 広告を見て「おっ、いいじゃん」と思う(旅の始まり)
  2. 商品ページを開く(情報収集のフェーズ)
  3. レビューを読む(迷いの森)
  4. 購入ボタンを押す(ついにゴール!)

──いや、ただの買い物じゃん!!

何が「旅」なのか、まったく分からないのである。

しかし、UXデザイナーやマーケターたちは、この「旅」の概念が大好きだ。彼らは口を揃えてこう言う。「ジャーニーを設計することで、より良いユーザー体験が提供できるんですよ!」と。

だが待ってほしい。ジャーニーとは本来、未知の世界への冒険であり、時には困難があり、学びがあり、成長があるものだ。なのに、広告を見て物を買うだけで「ジャーニー」扱いされてしまうとは……。

このままでは、そのうちコンビニでおにぎりを買うことすら「パーソナルフードジャーニー」とか言い出しかねないのである。

ジャーニーに巻き込まれた時の処世術

さて、ビジネスの現場で「ジャーニー」という言葉が飛び交うのは避けられない。気を抜けば、「カスタマージャーニーを最適化しよう!」だの、「タッチポイントの整理が必要ですね!」だの、もはやどこへ向かっているのかすら分からない会話に巻き込まれる。

では、どうすればいいのか? ここで重要なのは、「それっぽく返す」ことである。

① 「ジャーニー感」を出す魔法のフレーズ

相手が「ジャーニー」について熱く語り始めたら、こう返してみよう。

  • 「このフェーズでのペインポイントってどこにあるんでしたっけ?」
  • 「タッチポイントごとのエンゲージメントの変化も見ていきたいですね。」
  • 「このジャーニー、エモーショナルな視点からも考えた方がいいかもしれません。」

──意味が分からなくても問題ない。「ジャーニー」という言葉にエモさを足しておけば、大抵の人は「おっ、分かってるな」と頷いてくれるのである。

② 「ジャーニーマップを描け」と言われた時の対処法

避けては通れないのが、「カスタマージャーニーマップを作っておいて」と指示されるケースだ。これは、要するに「顧客の行動を図にしろ」ということなのだが、素直にやっていては時間がいくらあっても足りない。

ここでのコツは、適当にそれっぽい図を描き、専門用語を添えることである。

  • 「認知フェーズ」「検討フェーズ」「決定フェーズ」
  • 「ペインポイント」「エンゲージメント低下ポイント」「コンバージョン最適化」
  • 「ナーチャリング視点」「パーセプションチェンジ」

これらの言葉を散りばめておけば、大抵のジャーニーマップは成立するのだ。

③ 「ジャーニー」を適当に片付ける裏技

どうしてもジャーニーについて語らなければならない時、最も効果的なのが、「ストーリー仕立て」にすることである。

例えば、「この顧客は最初は商品に興味がなかったんですが、SNS広告を見て興味を持ち、検索し、レビューを読んで安心し、購入に至りました。」 という話をそれっぽく語れば、それだけで「ジャーニー分析をしました」という顔ができるのだ。

要は、適度に話を盛りながら、それっぽくまとめればOKなのである。

まとめ:結局、ジャーニーとは何なのか?

ここまで「ジャーニー」という言葉について深掘りしてきたが、結局のところ、ビジネスにおける「ジャーニー」とは何なのか?

答えは簡単だ──「それっぽく聞こえる便利ワード」 である。

本来の意味は「旅」なのに、ビジネスの世界では「動線」や「プロセス」のことを指し、「カスタマージャーニー」と言い換えれば、なぜか高尚な議論をしている気になれるという魔法の言葉なのだ。

しかし、実際のところは、顧客はただ「広告を見て、商品を知り、買う」だけ。そこに「ジャーニー」なんて壮大なストーリーは存在しないのである。

とはいえ、この言葉を無視するわけにはいかない。「ジャーニー(笑)」を適当に乗りこなし、適度にそれっぽいことを言いながら、上手くスルーする技術が求められるのだ。

さあ、新卒・若手社員諸君。今日も「ジャーニー」とかいう謎ワードに巻き込まれつつも、冷静なツッコミを忘れずに生き抜くのだ!

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